第3回「財務を強くするバランスシート対策」その2

「出張経理課長」布川昭文の「これでじゅうぶん!社長の経理知識」

こんにちは! エースラボの布川昭文です。

普段は「出張経理課長」として、契約企業様の日々の経理処理や毎月の状態把握に欠かせない月次試算表作成のお手伝い、さらには資金繰りや、資金調達に関わる支援業務を行っております。

これまでの経験をもとに数回にわたり、「経理業務に直接タッチしない社長さんでもここだけは知っておいてほしい」「ここを押さえておくと経営が楽になりますよ」というところをピックアップし、なるだけわかりやすく、簡略にお伝えしていきたいと思います。

今回は「財務を強くするバランスシート対策 その2」をお伝えします。

前回は流動資産の「売掛金」を取り上げさせて頂きました。

売掛金は資金繰りにとても大きな影響を与えるということを改めて認識してください。

さて、今回は「棚卸資産」について触れたいと思います。

棚卸資産とは一次的に保有している商品・原材料・仕掛品・製品などです。新しいお金を生み出すための原資になります。

バランスシート上では流動資産の「棚卸資産」に計上され、「在庫」と表現されることもあります(文章内では在庫で表示します)。        

在庫の管理がしっかりしていなければ、会社の状況が分からないと言い切っても良いとも言われます。

利益を生み出している会社は適切な在庫管理を行っています。

在庫管理を行うことで、「利益向上」、「生産性向上」、「キャッシュフローの安定」などに繋がっていきます。また、在庫は「利益を決める指標」となります。

正しく売上原価を計算しなければ、正しい売上高総利益(粗利)を求めることが出来ません。

正しい売上原価は棚卸をしっかりと行い、在庫数を適切に把握することで求められます。

みなさんは、こんな経験をされたことはないでしょうか?

毎月順調に利益が計上され、目標達成が見込まれると思っていたところ、経理から提示された決算書では利益が目標を下回ってしまったという経験が。

何故このようなことが起きたのでしょう。

これには在庫が影響しています。

毎月、棚卸をせず、決算時のみ棚卸処理をすると、正しい売上原価を計算することができません。

期首と期末の在庫を反映させた上で原価計算を行うことで正しい利益が求められます。

在庫はお金が形を変えた状態であるという認識が大切です。

いつまでも在庫の状態で売れなければ、資金回収が遅れてしまいキャッシュフローに悪影響を与えるのは勿論のこと、劣化して価値が無くなってしまう恐れもあります。

いつかは売れるとか、まとめて購入すると安くなるからといった仕入は好ましくないので注意が必要です。

在庫を抱えていないと販売商機を逸してしまうことも考えられますが、持ちすぎても危険です。

自社商品の売れ筋、死に筋をしっかりと見極めて、在庫管理することが大切です。                                       出張経理課長からお伝えしたいポイントは次の3つです。

適正数量の在庫を保有することで利益向上に繋げることが出来るようになる

在庫の所在が常に明確になっていることで、生産性の向上が見込める

在庫の無駄な仕入を抑えることで、キャッシュフローの改善に繋げることが出来る

次回は固定資産を予定しております。 

ABOUT US
布川 昭文
中央大学経済学部卒業後、東証一部上場企業の建設会社に入社。支店経理、本社人事部で勤務。その後、会計事務所、シンクタンクにてスタッフ系業務全般及び調査・研究業務に携わる。シンクタンク時代には流通業の経理担当者向けのセミナー講師を定期的に務めた。また、2005年共著にて「経営計画・利益計画の立て方進め方(ISBN-10:4534039751)」執筆。 2021年 エースラボの理念「中小企業のパワーアシスト」に共感し参画。いままで様々な企業の業務改善に携わる。趣味で合唱をたしなみ、ベートーヴェンの第九をこよなく愛する。週末、ぶらぶらとドライブしながらの温泉巡りをすることもすき。