B/Sは「会社の健康診断書」ではない。「戦うための力の源泉」だ!
1. 導入:なぜ、儲かっているのに不安なのか?
こんにちは、エースラボの布川です。
普段「出張経理課長」として多くの社長とお話ししていますが、こんな本音をよく耳にします。
「損益(売上)は毎月チェックしているけれど、正直B/S(貸借対照表)はよく分からない」
税理士さんから決算書をもらっても、最後の「当期純利益」だけ見て終わり、になっていませんか?
実は、P/L(損益計算書)が「その1年の成績表」なら、B/S(貸借対照表)は「創業から今日までの会社の生き様」です。
B/Sは単なる決算の書類ではありません。「社長がどうやってお金を集め、何に投資し、どれだけ会社を強くしたか」というすべてが記録されています。ここを理解すると、経営の「攻め」が驚くほど楽になります。
2. 図解で直感理解! 右で「調達」し、左で「戦う」
「簿記の知識がないから…」と身構える必要はありません。 B/S(バランスシート)は、文字通り左右が必ず一致(バランス)する図です。覚えるべきイメージはたった一つです。
- 右側(負債・純資産): 「お金をどこから持ってきたか?」=調達の源泉
- 左側(資産): 「集めたお金を何に変えたか?」=運用の形
つまり、B/Sとは「右側で『種銭(たねぜに)』を用意し、左側で『稼ぐ武器』に変える」という循環を表しているのです。
- 右側が弱いと… 資金調達ができず、新しいことが始められません。
- 左側が悪いと… せっかく集めたお金が、稼げない無駄なモノ(不良在庫や遊休資産)に変わってしまっています。
この「左右のバランス」を見るだけで、会社がお金をうまく回せているかが一発でわかります。

3. 「1年ルール」で会社のスピード感を知る
専門用語では「流動・固定」といいますが、社長はこれを「スピード感」と捉えてください。
| 区分 | スピード感 | 経営上の意味 |
| 流動(1年以内) | 速い | すぐに動くお金。ここが少ないと、支払いに追われる「資金繰り」が苦しくなります。 |
| 固定(1年以上) | 遅い(じっくり) | じっくり腰を据えて稼ぐための投資。建物やソフトなど、会社を支える土台です。 |
【ここで社長がチェックすべきポイント】
「すぐに返さなきゃいけない借金(流動負債)」で、「すぐには現金化できない大きな買い物(固定資産)」をしていませんか?
これは「短期のスピード」と「長期の土台」のミスマッチを起こしており、非常に危険な状態です。B/Sを見れば、このアクセルとブレーキのバランス調整ができるようになるのです。
4. B/Sには「社長のドラマ」が書いてある
私はB/Sを拝見すると、社長の経営方針やこれまでの苦労が透けて見えます。
- 内部留保(純資産)が厚い会社は、「今は守りを固めて次の投資に備えているな」
- 借入(負債)が増えてでも設備(固定資産)が増えている会社は、「ここは少し無理をしてでも勝負に出た跡があるな」
そう、B/Sには「会社が歩んできたドラマ」が数字として刻まれているのです。
5. まとめ:まずは自社のB/Sを「眺める」ことから
B/Sは、銀行のためや税務署のためにあるのではありません。社長自身が、自社の「戦力」と「体力」を把握するための最強のツールです。
次回は、このB/Sを使って具体的に「会社にお金が残る体質」をどう作るか、さらに深掘りしてお話しします。
まずは一度、直近の決算書のB/Sを、上記の「左右の図」のイメージで眺めてみてください。
「自社のB/Sを、戦うための武器に変えませんか?」
帳票上の数字を眺めるだけでは、会社の真の姿は見えてきません。
出張経理課長と一緒に、貴社の「攻め」と「守り」のバランスを整理し、
次の一手が見える経営を始めましょう。
