利益が出る はじめの一歩 §0 プロローグ

「あ〜あ この違いは一体なんだろう?」

ここは2000年代初頭の仙台駅前の国道 時刻は17:30を少し過ぎた夕暮れ時 

巨大ビルから次々と押し出されてくるビジネスパーソンたち

家路を辿るのか はたまた仲間と飲みにでもいくのか みな一様に明るい顔をしています

それを暗ーい表情で営業車のフロントグラス越しに見つめる私は 夕方6時厳守の見積書をお客様に届けにいく途中でした

今にして思えばFAXでも良かったんでしょうが 少しでも注文が欲しかった当時の私は「営業は足で稼ぐ→見積もりは届けにいく」という妙なこだわりがあったのです

その頃の私の平均的な毎日は

朝早く会社を出て現場作業 

現場から戻ったら 溜まっていた見積り依頼のFAXと電卓片手に格闘

夕方スーツに着替え 見積もりを持って客先へ

すると仙台駅前のオフィスビルから定時退社の人人人

夕方6時ギリギリセーフで見積もりを届け会社に戻る

それから夜の10時ぐらいまでPCに向かい現場作業の報告書作成

父の後継者として一応社長になったのに 長時間労働が当たり前 

休みもろくに取れない 現状

どこで何を間違えたんだろう・・・

社員は思い通りに仕事をしない すぐ辞める

給与も経費もケチってやっと黒字

お客からはクレーム 競合とは喧嘩ばかり

仕入先・銀行にはいつ見放されるかと頭が上がらない

売上はなんとか頑張って5〜7億 

なのに営業利益はなんとかひねり出して数百万・・・ときどき赤字・・・

「こんなだったら 親の会社なんか継がず 普通の会社に就職していればよかったのかなぁ・・・」

暗くなりかけた車内でそんなことを思う私は その後うつ病まで患い 数年苦しむ羽目になるのでした

・・・そして時は移り その約20年後の 2026年の私はというと・・・

親から引き継いだ電気設備の会社を事業会社化し ホールディングスの代表に就任

経営業務のコンサルなど 忙しいのは変わらないが好きなことに集中しているので楽しい

事業会社の売り上げはニッチ市場ゆえ10億前後 よく言っても「倍になった」ぐらいではありますが・・・

社員に平均740万の給与を払って 必要な経費をしっかり使っても数千万の営業利益が出る

社員は特に指示しなくても必要十分に働き 有給は完全消化 しかも辞めない 

生産性が高いので 定時30分前退社OK オフィスは19時すぎたら基本誰もいない 

かつては繰り返し起きていた大きなクレームや労災はここしばらくなし 

仕入先・銀行ともフラットで良好な関係

あれだけいがみ合っていた競合とは別の道を歩んでいるので 没交渉

もちろん課題はまだまだありますが まずまずの合格点なんじゃないかと思います

もう一回戻るようですが 20年前との この違いはなんなんでしょう?

20年間でいったい何が変わったのでしょう?

 

と いうことで もう一回時計の針を冒頭の20年前に戻してみましょう・・・

 

・・・「あ〜あ この違いは一体なんだろう? 会社が小さいから仕方ないのかな?」

そこで 自社に戻る前はそれなりの大企業で修行をしていた私はふとあることに気がつきました 

「いーや これは会社の大小の話ではない

自分の会社は 

・コピー用紙が切れたら総務に言って買いに走ってもらう

・各担当者の見積もりの控えとか図面とか仕事の資料は全部個人の引き出しに入っている

・毎月の売上見込みを出すのに社員から個別にヒアリングして電卓を叩いている

前に所属していた大企業では

・コピー用紙は必要な量がいつでも書庫に確保されている

・仕事の資料は会社のルールに従ってファイルされ誰でも取り出せる

・売上見込みは売上+受注残+受注見込みのデータから自動的に算出されている

こういった小さな違いの積み重ねが 大きな差になっている

これはもしかして会社の大きい小さいのちがいじゃなくて

会社に「しくみ」が有るか無いかの違いじゃないか

やっとそう気づいた私はその後 うつ病と戦いながら 会社の仕組みづくりに着手していきます

もちろん平坦な道ではありませんでした 失敗も間違いもたくさん犯しましたし いろいろ実験を重ね くねくね道をたどりながらやっと辿り着いた現地点です

道に迷わず すーっと来たら5年くらいで来れた現時点なんじゃ無いかと思っています

もしも最初から仕組みづくりのやり方が分かっていてそれを淡々と進めていければ 中小企業の経営で今困っている仲間の役に立てるかもしれない

私が2017年にホールディングスのエースユナイテッド内に経営業務コンサルチーム「エースラボ」を立ち上げ 中小企業の儲かる仕組みづくりのお手伝いをしているのは そんな思いからなんです

さてここからは 私たちのコンサルタントの現場でも使っているノウハウを 惜しみなく披露させていただこうと思っています

まずは第一部「利益が出る はじめの一歩」として 仕組みづくりの基礎工事の部分を 「見える化」「整理」「強みに特化」「農耕化」「お客の選別」「知らせる」の4章 

さらに第二部「もうかりだしたら もうけたら」では 利益が出だしたら必要になる様々な考え方「商売道具へのお金のかけ方」「お金の調達の仕方」「業界や異業種との交流の仕方」「競合からケンカを売られたら」「支払いの仕方と税金」「リクルートの仕方」の6章をお届けしていく予定です

もちろん正論だけではつまらないので数々の失敗談や参考にさせていただいた諸先輩・先生方の話をコラム形式で挟んでいきたいと思います

では 続きをお楽しみください