1)「見える化」ってなんだろう
「見える化」という言葉自体は とても平易な日本語です
ようするに見えていなかったものを見えるように形にする という意味ですね
元々はあの世界のトヨタが誇る 「トヨタ生産方式」の中で使われていた言葉です
今では広く生産の場や 業務改善 課題解決などの世界で使われています
細かい定義はそれぞれあると思いますが ここでは「見える化」を 「普段ごく当たり前にこなしている業務の数々を 誰にでも説明できるように文字に落とす」 という意味だと捉えてください
2)自分がどうやって歩いているか説明できますか?
どうです? けっこう難しいでしょ? たぶんほとんどのかたが「えっ?」ってなったと思います
「えーと まず右足を上げます そして左足を上げます」
それではしゃがんだカッコのまま空中に浮かんでしまいますね
「あ 右足と左足を交互に上げ下ろしします」
あー それはただの足踏みですね 前に進めません
「歩く」の いちばん簡単な説明は 「頭の重心を前に方向け 倒れないように右足と左足を交互に出す」だと思いますが いかがですか?
これが「見える化」の具体例です
3)あなたの仕事を説明できますか?
これはさらに難題ですね
「えーまず会社に来て タイムカードを押します えーとそれから・・ 事務所に入ってみんなに挨拶して 自分のデスクに座ります それからパソコンを開いて 昨日やりかけで終わった作業を始めます」
その作業ってなんですか?
「え〜 それも答えなきゃですか? 先週お客様のところで行った作業報告書ですよ」
それは何のために??
「作業報告書出さなきゃ お金もらえないんですよ」
では お金をもらうために作業報告書を書くんですね
「あ そうか 違いますね その前に作業そのものがあるし その前には打合せや 注文書受領や 問い合わせ がありますね
順番に並べると 問い合わせをいただいて→注文受けて→打ち合わせして→作業して→報告書作って→請求する って感じ?」
そうなんです 自分の仕事を見える化するには 今日一日何をしたのかじゃなくて 自分の仕事の一連の流れが説明できないといけないんです
4)めんどくさいですよね 見える化
でも・・・なんで業務を「見える化」しないといけないんでしょう?
別にそんなコトしなくても 歩くこともできるし 毎日の仕事だってできています
それをわざわざ言葉にする必要なんてどこにあるのでしょう?
もちろんそうです いちいち言葉にしなくても歩けますし仕事もできます
ただそれは「これまでのように」という条件付きです
もしこれまでの歩き方に問題があって足を痛めてしまっていたら 「これまでのように」痛いまま歩き続けなければなりませんし
もしこれまでの仕事の仕方に問題があって 思うように利益が出ていなくても 「これまでのように」利益が出ないまま仕事を続けなければなりません
5)「見える化」しないと改善できない 利益が思うように出ない
しかし自分が行っていることをきちんと順序立てて言葉にできていれば どこに課題があるのか把握することができます
さっき足を痛める話をしましたね 実は私は2026年1月現在 左足のかかとを痛めています
通勤時 痛みで足を引きずる感じになってしまったので 対症療法で革靴をやめ 靴底の厚いトレッキングシューズにしてみたり 痛いところを揉んでみたりしてもダメ
果ては回復の見通しが立たない かかとに八つ当たり かかとにはちっとも責任がないのにね
けっきょく面倒だったのですが自分の歩き方を分解し さらにYoutubeで見た整体の先生が勧める歩き方と比較したところ 左足かかとの着き方に誤りがあったことがわかりました どうやら60年以上にわたる良くない歩き方で経年劣化を起こしたようです
そこでその一点だけを改善・習慣化してみたところ まだ完治までは行きませんが長時間歩いてもほぼ痛みを感じないところまで回復することができました
もちろんYoutubeの先生には大感謝なんですが 自分のかかとの着き方の特徴を分解して「見える化」していなければ いくら動画を見ても問題点に絶対に気が付かなかったと思います
同じように 会社の業務になにか問題があるな〜と思っても 業務の流れが見える化されていないと 肝心の問題点に気づくことができません
「なんとなく問題がある」ことがわかっていても それを具体的に特定できなければ 思った利益が出ることはありません (たまたまの利益は出るかもしれませんけどね)
ですので 見える化が進まない企業は ただやみくもに 作業量を増やしたり スピードアップをしたりするしか 解決方法を持っていません
具体的には「人が足りないんだ もっと人を増やさなきゃ」の対症療法で無駄や不良を量産するハメになったり
「Xさんが仕事できなさすぎじゃない?」なんて何の責任もない個人を攻撃するという 「いじめ体質」が醸成されてしまったりするのです
もしかしたら 広告を見て DX化の名のもとに 業務を高速化するアプリケーションソフトやWEBサービスを導入するかもしれません
でもそれって実は「無駄なこと」を過大な設備と電気の力を使って高速にやっているに過ぎません
まるで一体どこに進むのかもわからずに 地図無しで同じところをぐるぐる回ってやがて遭難してしまう迷子の探検隊みたいですね
6)見える化すると どうして利益が出るの?
実は仕事って 自分がなんのためにどこに進むのか? 具体的にどうやってどのルートを使って進んでいるのか を知るためのマップが必要なんです
みなさんも昨今ではGoogleマップに教えてもらいながら 行きたいお店に行ったりしてますよね
より少ない労力で より多い成果を出すための マップづくり
それが「見える化」ってことなんです
あなたの会社のあらゆる業務が「見える化」されると どんどん無駄が減っていきます
だって「見えているのに無駄なこと」など経営者・幹部なら誰もやりませんし やらせませんから 「見える化」された会社の業務はどんどん洗練されていきます
その結果 より少ない労力でより多い成果が出れば具体的にどうなるか??
わかりますよね? もし なんとなくしかわからない方は
労力に「コスト」 成果に「利益」を代入してみればすぐわかります
より少ない「コスト」でより大き良い「利益」
これがイヤな経営者さんなんていませんよね??
かつて 私の知り合いの社長さんで 「社員には給料を払っているんだから 楽をさせる必要なんかない! 死ぬ気で働けばいいんじゃ!」と言い放った方がいました
その時は もう呆気にとられてしまって 何も言えませんでしたが いまなら上記の利益の公式で説得できたんじゃないかと思います
7)じゃ どうやって見える化するの?
ここまでで「見える化」が大事なことはだいたいおわかりいただけたんじゃないかと思います
でもいったいどうやって「見える化」したら良いんでしょう?
一番手っ取り早いのは仕事の地図=業務マニュアルを書くことです
・・なんですが みなさんどうですか? いきなり自分の仕事のマニュアルなんて書けますか?
だいたい自分の仕事がどういうものであるか カラダで把握はしていても アタマの中にすべての仕事がインプットされている人はいないと思います
それから後で詳しく書きますが「見える化」による業務改善につかう業務マニュアルは「階層化」されていることが大切です
簡単に言うと「大項目」「中項目」「小項目」に別れて書かれていることがとても大切なんですがいきなり そのように書いていくことはなかなか難しいと思いますよ
8)そんな時とても便利なツール それはあの 「マインドマップ」
一昔前にマインドマップ って流行りましたよね
あの真ん中に丸を書いて ここから 枝葉のように分かれて自分の考えを書いていくやつ

(Geminiによるイラスト)
実はあのマインドマップが階層化された業務マニュアルを作るのにとても役に立つんです
やり方は簡単 まず白い紙の真ん中に自分の仕事と書いて マルで囲ってください そしてそこから 思いつくままに 自分がやっている仕事を枝分かれさせていきます (もちろん白黒で結構ですよ)
それができたら そのそれぞれのマルに書いてある自分の仕事を見てください
これが 大項目ですね ヌケモレがないかざっと見ていただいた後 それぞれのマルからさらに枝分かれさせて 中項目を書いていきます
そしてその中項目の中身ですね これをまた思いつくままに枝分かれさせて書いてきます 順番は後で直せるので多少前後しても構いませんし 新たな大項目が頭に浮かんだらそれも書き足してください
さて こうして出来上がったマインドマップを(アタマの中で) 真ん中の丸をつかんで ぐいと左端に引っ張ります
そうすると 大項目 中項目 小項目の順に並んだ エクセルの表のようなものが見えてくるはず
エクセルや表計算シートの列を大項目 中項目 小項目に見立てて書いていく
これが階層化された マニュアルの一番簡単な作り方です
9)階層化されたマニュアルは無事完成??
これであなたの(全社展開すれば会社の)業務が見える化されました
でも ただこれだけでは より少ない「コスト」でより大き良い「利益」 とはなりません
この地図では まだまだ中世の地図レベル この通りに歩いて 目的につけるかどうかもわかりませんし たとえ着いたとしても とんでもなく遠回りをしてしまうことになるかもしれません
この一旦完成した階層化されたマニュアルを整理・強化していく必要があります
(続く)








