第4回「財務を強くするバランスシート対策」その3

「出張経理課長」布川昭文の「これでじゅうぶん!社長の経理知識」

こんにちは! エースラボの布川昭文です。                       普段は「出張経理課長」として、契約企業様の日々の経理処理や毎月の状態把握に欠かせない月次試算表作成のお手伝い、さらには資金繰りや、資金調達に関わる支援業務を行っております。                                        これまでの経験をもとに数回にわたり、「経理業務に直接タッチしない社長さんでもここだけは知っておいてほしい」「ここを押さえておくと経営が楽になりますよ」というところをピックアップし、なるだけわかりやすく、簡略にお伝えしていきたいと思います。

今回は「財務を強くするバランスシート対策 その3」をお伝えします。第2回、第3回まで「売掛金」、「在庫」について触れました。どちらも資金繰りに非常に大きな影響を及ぼす重要な項目になりますので、読み直すことをおすすめします

さて、今回は会社の利益を生み出す固定資産に触れたいと思います。固定資産は会社が長期間にわたり保有するもので、1年を超えて現金化・費用化される資産になります。固定資産の中には、「有形固定資産」、「無形固定資産」、「投資その他の資産」があります。有形固定資産には建物、生産設備、自動車、土地など、無形固定資産にはソフトウェア、電話加入権など、投資その他の資産には出資金、敷金などが含まれます。固定資産のうち有形固定資産については、減価償却を行って費用化していくようになります(減価償却は、別の機会に説明いたします)。

   

固定資産を取得するには多額の資金が必要になる場合があり、資金の回収には時間を要します。そして、固定資産を取得する際、返済の必要のない自己資本の範囲内で取得が出来ればリスクは低く、安全性は高いと判断できます。固定資産がどの程度、自己資本で賄われているかをみる指標として「固定比率(固定資産÷純資産×100)」があります。これは数値が低いほど安全性が高いといえます。

企業が固定資産を取得する際には、金融機関からの借入に頼らざるを得ない場合もあるかと思います。ここで大切になるのは、借入を行う場合は、「返済期日が1年を超える」長期で借入をするということです。「資金回収が遅い」固定資産の取得に対して、「返済の早い」短期借入金で融資を受けると資金繰りに行き詰ってしまう場合もあります。お金の入りよりも、出の方が先になるので当然ですよね。

先ほども触れましたが、固定資産はすぐには資金化されません。財務を強くする観点からみると利益を産まない無駄な固定資産を減らすことが大切です。よくあるケースが、既に使わなくなった物や所在不明の固定資産をそのままにしているケースです。こういった場合、無駄な税金を支払う場合もあります。面倒がらずに自社の固定資産を確認して無駄な支出を抑えるようにしましょう。また、固定資産の整理を行うことで節税にも繋がります。しっかりと現物の確認を行い、固定資産台帳の整備をすることをおすすめいたします。今回まで、3回にわたって資産の部の主な項目について触れさせて頂きました。バランスシートの資産の部に記載されているのは会社の財産であり、将来的に会社に収益をもたらすことになりますので、しっかりと管理をするように心がけてください。次回からは負債の部の説明に入ります! 

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布川 昭文
中央大学経済学部卒業後、東証一部上場企業の建設会社に入社。支店経理、本社人事部で勤務。その後、会計事務所、シンクタンクにてスタッフ系業務全般及び調査・研究業務に携わる。シンクタンク時代には流通業の経理担当者向けのセミナー講師を定期的に務めた。また、2005年共著にて「経営計画・利益計画の立て方進め方(ISBN-10:4534039751)」執筆。 2021年 エースラボの理念「中小企業のパワーアシスト」に共感し参画。いままで様々な企業の業務改善に携わる。趣味で合唱をたしなみ、ベートーヴェンの第九をこよなく愛する。週末、ぶらぶらとドライブしながらの温泉巡りをすることもすき。